【特集テーマ】ダムによらない治水を検討する場

いま、川辺川ダム問題は「検討する場」の中

≪「ダムによらない治水を検討する場」開始までの歩み ≫

平成15年 利水裁判勝訴
平成17年 収用委員会で球磨川水系工事実施基本計画の基での川辺川ダムは白紙撤回
平成19年 球磨川水系河川整備基本方針策定? 平成の河川法で川辺川ダムを再登場させた。ただし、現段階ではダム建設のための基本高水のみが存在。具体的なダムは河川整備計画の中で登場の予定
平成20年 国交省「球磨川水系河川整備計画(原案)」を説明
相良村徳田村長・人吉市田中市長・熊本県蒲島知事 「脱川辺川」を表明
平成21年 熊本県で「ダムによらない治水を検討する場」開始
国交省:九州地方整備局・八代河川国道事務所
熊本県:知事・河川局・球磨川流域の全首長

 ≪「ダムによらない治水を検討する場」における川辺川ダム問題 ≫
 「検討する場」は、まだ終わっていませんが、現在までの流れは大きくは三期に分かれています。第一期は一回から四回までです。自民党政権時代です。第二期は五回から九回までです。民主党政権に代りました。八代市も脱ダムの市長に代りました。そして第三期は実務的な内容が中心になるという理由で幹事会になり、市町村の参加者は副市町村長であったり、総務課長のような課長クラスの方たちが参加するようになりました。
[ 第  一  期 ]
 県がダムによらない治水対策案を提示し、それを国交省がシミュレーションして基本高水治水=ダム治水を煽るという内容のものでした。
[ 第  二  期 ]
 国交省が治水対策案を提示するようになりました。基本高水と昭和40年7月の洪水を氾濫戻しと称してわざわざ増やした洪水を基にした治水対策の内容でした。ダムによらない治水と言いながら、ダム建設のために設定した数値を頭にもってくるという非常に矛盾した考え方に固守し続けました。県もダムの再開発という考えに固守していました。
[ 第  三  期 ]
 既往洪水で最大であったのは昭和57年でした。この洪水を基にダムによらない治水対策案が提示されてきました。市房ダムも操作のやり方を変えるだけに絞ってきました。脱ダムを主張する首長さんたちの考えにまとまってきた段階で会議は中断。「検討する場」も最終段階に入り、いよいよダムによらない河川整備計画策定を迎えようとしているところで会議は中断してしまいました。ダム中止に伴う特別措置法が宙に浮いたままになっていることが深く関わっているようです。ダム中止に伴う特別措置法の成立が最重要の課題になっています。
《註》川辺川ダム建設促進協議会は今も存続していますが、会長の柳詰氏が
ダム中止に伴って起きてくる五木・相良村の再生に関わる「ダム関連事業の予算確保や特別措置法の成立を国に求めていくことになっている」と球磨村村議会で答弁をされている。
< ほぼ毎回意見書・要望書を提出・県民に訴えるパンフレット作成 >

        ≪ 県営五木ダム問題 ≫
 平成21年 全国で計画されている国営と県営のすべてのダム計画を検証することを目的とした「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が開始。
川辺川ダムはこの検証対象から外し、「ダムによらない治水を検討する場」に任せることとしたが、川辺川ダムとセットで計画された県営五木ダムは検証の対象となりました。
平成24年 第25回の有識者会議を審議終了後国交省が正式に中止を決定
< 意見書提出・県民に訴えるパンフレット作成 >

関連リンク >第5回「ダムによらない治水を検討する場」 国交省が提示した治水対策方針案に対する意見書

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