【特集テーマ】収用委員会

収用委員会

  川辺川ダムに関する収用委員会は2部構成でした。
 一つは漁業権に関するものであり、漁業組合はダム反対と推進に2派に分かれた。反対派の漁民は法律学者・弁護士・水産学者を代理人に立て、国交省と激しい論争を展開しました。
 もう一つは土地収用に関するものでした。米田重信さんたった一人土地収用に応じることなく収用委員会に臨まれました。代理人は法律には全く素人の手渡す会のメンバーが努めました。
ここで一番重大な問題は墳墓でした。収用の対象になっていた米田さんのご先祖のお墓が取り除かれ、整地されてしまったことでした。勿論、いつの間にか暮石は隠されてしまいました。
収用委員会はこの問題を収用委員会と別に裁判を起こすことを進めましたが、最大の難問はこの作業を直接請け負った業者を調べると一筋縄ではいかない業者であることが判明。その当時、米田さん宅には連日嫌がらせの電話があるなどの被害に遭われていたのでこの闘いは諦めることにしました。
それは、多目的ダムの一つである利水が脱落する可能性が目前にあったからです。それまで収用委員会を持ちこたえれば100%の勝利間違えなしと墳墓の問題と無断で立木を伐採してしまった問題を取り上げ、国交省の非行・蛮行を暴き続けました。
 その取り組みの中、福岡高裁での利水裁判の判決が下りました。農民が勝訴しました。それを受け、収用委員会は土地収用のために提出していた事業認定を撤回しました。これで昭和の河川法の基で計画され工事も進められていた川辺川ダムは白紙撤回されたことになりました。
 これは、流域住民の多様な闘いを一つに結びつけて展開してきた大きな成果の表れでした。
 手渡す会はここでダム反対運動には二つの側面があることも強く意識させられました。一つは土地。墳墓を守る闘いであり、もう一つは川を守る闘いです。

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