【特集テーマ】基本高水問題

脱川辺川ダムは脱基本高水の闘い

[T] 脱川辺川ダムの重要な原点の一つは既存のダムがもたらした体験

(1) ダムは清流球磨川を破壊している

川の形態を破壊し、豊かな生態系を消失させ、住民から川を奪い取ってし まいました。特に漁民・観光業者には暮らしを脅かしました。コンクリー ト張りの河川改修は市民の生活から川を引き離してしまいました。

(2) ダムが水害を拡大した

想定外の大雨や洪水には全く対応しない治水対策で、洪水でダムが溢れそうになれば非常放水門から一気に放流を始めます。これは下流域に急激な増水をもたらし、甚大な災害を引き起こしてしまいます。昭和40年の人吉大水害でこの体験をさせられました。

[U] 住民討論集会で住民は基本高水治水を意識した

流域住民の脱川辺川の原点は実際に目の前に存在している球磨川の姿にありました。ところが、国と対等の立場でダム論争をするとなると「基本高水」が全面に登場してきました。なぜなら、ダム建設は河川法・河川法施行令にさだめられた基本高水治水に基づいて進められているからです。住民も正面からこの基本高水に向き合うことになったのです。 ここで一番大切なことは住民がこの基本高水とどう向き合うかということです。紆余曲折しながら、基本高水に対する認識を深めていく中で選んだ道は[T]で述べた脱川辺川ダムの原点に立って向き合うということでした。

[V] 脱川辺川ダムは脱基本高水の闘い

基本高水治水の本質は「ダム建設のために想定された洪水をダムと河川に閉じ込めてしまう治水技術である」ということです。これは基本高水の数値の大きさとは関係なく存在している治水技術なのです。 だから、一番大切な事は、この技術が本当に住民の命を守る防災対策になっているかを既存のダムを通して検証することです。また、この技術が川にどのような変化をもたらしているかを検証することです。 この検証は脱川辺川ダムの原点に辿りつきます。脱川辺川ダムの闘いは脱基本高水の闘いとして発展していくことになりました。

参考資料 パワーポイント:「ダム神話を斬る」「誰にでもわかる基本高水の問題」

論文:「脱ダム学入門」週刊ひとよし連載

関連リンク >パワーポイント資料「ダム神話を斬る」
関連リンク >パワーポイント資料「誰にもわかる基本高水の問題」

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