たくさんの皆様、ご参加・ご協力ありがとうございました
12月17日、人吉カルチャーパレス大ホールで開催された講演会「川が育むふる里-今ダムを考える」(週刊金曜日主催)は、質量ともに大成功を収めました。
約1300人が入場した会場は活気に満ちあふれ、若い世代も多く感動的でした。人吉の地で、このような硬派の講演会が、カルチャーパレス大ホールに立ち見が出るほどの聴衆に埋めつくされた事は、未曾有の事だと思います。5人の著名な講演者も次々と川辺川ダム問題を斬りました。
◆ジャーナリストの本多勝一氏:「川辺川ダム建設は税金の無駄づかい。建設省のダム宣伝は、結婚サギのようなものだ」
◆経済評論家の佐高信氏:「オウムに破壊活動防止法が適用されそうだが、美しい国土を破壊する建設省にこそ破防法を適用すべきだ」
◆作家の椎名誠氏:「海岸やダムの開発は、地主など当事者だけではなく、流域全体の問題としてとらえるべきなのに、日本ではそれができていない」
◆カヌーイストの野田知佑氏:「先進国では、ほんの少数の人間でも反対すれば、ダムはできない」
◆宍道湖淡水化事業をストップさせた島根大教授の保母武彦氏:「五木村民には、ダムを造らず村がよくなるか、という不安がある。しかし開発に頼らず村おこしを実現させた例は多数ある。五木の知名度は全国有数。都会には、ふる里を求めている多く人がいる」
時代は「開発」から「自然との共生」へと大きく変わりつつあります。私たちにとって、そして次の世代にとって何が一番大切なのか。ふる里の将来について大いに考えさせられる講演会でした。
12/2 川辺川ダム事業審議委員会の第2回委員会。「ダム事業に地域住民の意見を反映させるための申し入れ書」と約700人の署名を提出。
12/5 「川辺川ダム建設中止を前提とした五木立村計画の策定」の申し入れに対し、県は「中止の場合の計画は策定しない」と回答。
12/17 「川が育むふる里」講演会(1300名参加)
12/30 第2回「ちょっとまて川辺川ダム、清流リレーマラソン」
(熊本県庁~五木村~人吉市くま川ハウス、30名参加)
1/27 川辺川ダム事業審議委員会の第3回委員会。「五木村再建のための調査立案委員会の設置」を求める申し入れ。
2/10 市房ダム見学会。
2/16 理学博士・松本幡郎氏を迎えダム代替地地質についての学習会。
五木ダム建設予定地の見学会。
2/17 川辺川ダム事業審議委員会、五木村で村民から意見聴取。
2/21 NHK「クローズアップ現代」(全国ネットで放映)にて、川辺川ダム問題が大きく取り上げられる。
*五木村でチラシ配布などの広報活動に取り組んでいます。
川辺川ダム建設計画を見直す、という名目で建設省が設置した「川辺川ダム事業審議委員会」は2月17日、五木村で8名の村民の方から非公開の意見聴取を行いました。
「村民は事業推進を希望した」というような報道をしたマスコミが多かったようですが、「ダム本体を早く造ってほしい」という声は(報道を通して知り得た範囲では)伝わって来ませんでした。
昭和41年の建設省による一方的なダム建設発表以来、五木村はダム問題で大きな苦難を強いられ、人口も大きく流出しました。また、ダムができるからという理由で社会基盤整備も進まず、水没地の小学校では体育館さえ造ることができない状態が30年も続いているのです。ダム問題を解決し、将来を見据えた村づくりに早急に取り組まなければ、状況は悪くなる一方です。
しかし現在、ダム建設の目的はなくなっています。河川改修が進み、昨年7月の記録的な大雨でも洪水は起きませんでした。農家もダムの水は不要だと言っています。反対にダムができれば、下流はダム放流による大洪水の危険にさらされます。結局のところ上流も下流も、ダムによる被害者なのです。 審議委員会は中止という結論を出す場合もあるのですから、行政はダムによる立村計画だけでなく、ダム中止の場合の五木立村計画も早急に策定し、住民に選択肢を与えるのが公正なやり方ではないでしょうか。
第2回「ちょっとまて川辺川ダム・清流リレーマラソン」が、12月30日午前8時半に熊本県庁をスタート。地元人吉市の中高生を含む30余人が『ちょっとまて川辺川ダム』と書かれたタスキをリレーし、ダム見直しを沿道の県民に訴えながら人吉市までの約100キロを走破しました。
一昨年の第1回は、大晦日に人吉市をスタートして実施しましたが、今年はその復路として熊本市から城南町、松橋町、宮原町、東陽村をへて雪景色の五木村の大通峠へ。五木村頭地、相良村をへて、午後7時すぎにゴールの「くま川ハウス」に拍手の出迎えを受けながら到着しました。
一人平均1キロから6キロ単位で交替しながら走り抜きました。昨年に続いて参加した人吉市の高校生・柳原哲郎さん(18才)は、「三区間走りましたが、中でも大通峠までの上りがきつく、雪まで降り出してとても寒かったです」と話していました。
収入の部 金額 備考
繰越金 87,446
年会費・カンパ 1,017,158 グッズの売上、雑収入等も含む
合計 1,104,604
支出の部 金額 備考
郵送費 159,600 会報発送など
紙代 21,034 ニュース、チラシ、資料など
事務用品費 74,215 封筒、文具、写真現像、印刷外注費など
事務所維持費 366,303 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など
旅費 22,600 審議委員会への申し入れガソリン代など
これまでの個人立替分 200,000 くま川ハウス敷金など
電話機(FAX) 43,775
その他 35,006 講師謝礼、灯油代
合計 922,533
(収入) (支出)
1,104,604-922,533=182,071円
◆皆様方の会費・カンパのおかげと、スタッフの経費節減の努力で、今回はこの会報を発送しても、ちょっぴり黒字会計になることができました。◆12月17日の講演会で、たくさんの方に入会いただきました。また会場でカンパを6万1767円もいただきました。ありがとうございました!◆今回、まだ会員になられていないに方には会費等の振り込み用紙を同封させていただきました。年会費(1000円) を納入され、ぜひ会員になってください。もちろん、カンパも大歓迎いたします。
看板文句を募集中!
看板娘も募集中!(こっちは冗談。でも、なりたい方がいらっしゃれば光栄です)
くま川ハウスの球磨川に面した大きな看板(高さ2m×幅12m)をかけかえ、グーンと美しくしたいと思っています。で、この際、会員の皆様方からその文句を募集しよう、という事になりました。集まった意見は定例会でみんなで審査し、意見をくださった方から審査と抽選で「手渡す会」や「清流」にちなんだ景品を差し上げようと思っています。 内容、文句、イメージ、デザイン、意見など、どんな事でも結構です。過激なやつ、優しいやつ、おもしろいやつ…楽しみに待っています。(しかし、字数が多くなると看板が見づらくなりますので、ご注意ください)
★宛先・熊本県人吉市新町16番地 くま川ハウス「看板文句募集係」までどうぞ。(3月16日必着でお願いしまーす!)
◆パソコン通信を始めたよ!
「手渡す会」でも、今年のお正月からパソコン通信を始めました。川辺川や清流・美しい自然を愛する日本各地の人達が夜ごと集まって、気軽におしゃべりをする部屋ができたのです。(熊本市内の有志の方は、昨年から始められています) 興味のある方は、NIFTY ID VZB01703佐藤亮一までメールを!
◆毎月最終日曜は「川が育むふる里会」
昨年12月17日の講演会に向けての実行委員会は、球磨川流域から県内各地へと、自然とふる里を愛する人の輪を大きく広げることができました。講演会が終わってもこのつながりを広げていこうと、「川が育むふる里会」という名称で月1回、最終日曜日に「くま川ハウス」に集まろう、ということになりました。次回は、3月31日午後7時からです。是非、のぞいてみて下さい!(翌日の定例会は、お休みになります)
2月21日のNHK「クローズアップ現代」で、川辺川ダム問題が全国ネットで大きく放映されました。ちょっぴり顔が映っていた私のところにも、全国の友人からたくさん電話がかかって来て、やっぱり全国放送は反響が大きいなと実感しました。手渡す会の活動も今年で4年目に入りますが、ずいぶん広がってきたなと実感します。3月29日と30日には、熊本市内で日本環境会議が開催されますが、ここで もダム問題が大きく取り上げられます。特に2日目の「清流を未来に」と 「次の世代に残すもの」の分科会では現地からの報告もありますので、是非ご参加下さい。(N.O.)