熊本県人吉・球磨の市民グループ:通称「手渡す会」

ダム計画の概要・位置

川辺川・球磨川とは

熊本県南部を流れる一級河川、球磨川。その最大の支流である川辺川に計画されているのが、川辺川ダムである。

球磨川は、熊本県南部を流れる一級河川(国の直轄管理)で、12市町村を流れる。富士川、最上川と並んで日本三大急流の1つに数えられ、中流の人吉では船下り、ラフティング、人吉温泉、球磨焼酎などで有名。長さ116㎞、流域面積1880k㎡で熊本県面積の1/4を占める。流域面積の83%が森林。水源の標高は1,880m(水上村、石楠越)。

川辺川は、球磨川最大の支流で、球磨川流域の3割を占める。五家荘(八代市泉町)、五木村、相良村を南北に貫いて、相良村・錦町・人吉市の境で球磨川本流に合流する。国交省による全国159の一級河川の水質調査では、2006年の調査開始以来、全国の河川で唯一16年連続で水質日本一にも選ばれている清流である。長さ62km、流域面積533km2、水源1,739 m(国見岳)。流域人口8,000人。また、「尺鮎」と呼ばれる大型の鮎を求めて全国から多くの釣り客が訪れる川としても知られる。

(地図はクリックで拡大)

川辺川ダム建設予定地は、相良村藤田地区のV字谷である。1966年発表の従来のダム計画(貯留型ダム)も2020年に復活したダム計画(流水型ダム)でも同じ位置であり、高さも同じとなっている。

 

川辺川ダム計画の概要

従来のダム計画と、新たに復活したダム計画の主な相違点:

○ダムの形式
【旧ダム計画】貯留型  【復活したダム計画】流水型(穴あき)
【旧ダム計画】アーチ式 【復活したダム計画】コンクリート重力式

○ダムの目的
【旧ダム計画】治水・利水(かんがい)・発電
【復活したダム計画】治水

位置熊本県球磨相良村大字四浦字藤田(左岸)、堂迫(右岸)同じ
ダムの形式アーチ式コンクリートダム
貯留型
重力式コンクリート
流水型
堤高107.5m107.5m
堤頂長283m約300m
総貯水量1億3300万立米1億3000万立米程度)
流域面積470km2
湛水面積3.91km2(391ha)ほぼ同じ?
事業者国土交通省
ダムの目的①   治水

②   かんがい(2008年農水省撤退)

③   発電(2006年に電源開発撤退)

治水専用ダム
着手1967年(従来のダム計画から継続)
完成予定2008年2035年
完成予想図(未発表)
予算3,300億円

※計画当初は350億円。その後2,650億円(1998年)としていたが国交省内部資料リークで3,300億円と判明

4,900億円

※今後かかる費用が2,680億円。

従来ダム計画での支出分と合計して4,900億円

費用対効果

(B/C)

0.73

※国は1.55としていたが、住民側は0.73と指摘

1967~2035年 / 0.4

2022~2035年/  1.9