9/6、人吉市大工町・九日町の災害公営住宅整備計画の撤回を求めて、市民有志で住民監査請求を行いました。
3月30日の人吉新聞報道で事業者と建設地が決まったことが報じられ、その後、「何だこの話は」「聞いていない」と数多の市民が感じたため、様々な動きが出てきました。
市の宅建協会からは抗議の声が挙がり、市議会では全員協が開かれ事業の進め方への疑問が呈されました。土地を探す専門家集団である宅建協会に相談のないまま「土地がなかった」と市が言うのはおかしいし、市議会では計画の詳細は特に示されないまま、災害公営住宅だからと予算がついたのでした。
建設予定地に隣接する周辺地域の住民の方は、事業者からの戸別訪問を受けていませんでした。住民の方が経験したのは、書類を持ってうろつく見慣れない人がいるので声をかけたら「ここに5階建てが建ちます」と言われたということだけ。手に持っている書類を見せてというと「いや、これは見せられません」。そして去っていったそうです。「上司が改めて来る」と言われた住民の方もいたそうですが、待てど暮らせどやってこなかった、ということでした。
5月、7月、8月に開かれた住民向け説明会で市は、誠実とは言い難い対応に終始しました。
正当なものであっても質問を制限する、疑問を感情的にならずに伝えたら「じゃぁ代案を出してください」と職員が言い出す、やめてほしいといった戸別訪問を強行する、条例や制度に関する質問をすると情報公開条例7条を曲解するかわからないフリをして応えず時間を稼ごうとする、にもかかわらず「私たちはやましいことは何もしていません」という、等々…。
反対を押し切って行った戸別訪問も、ひどいものでした。
「全員回る」「不在だったら連絡票を入れる」と言いながら明らかな反対派は積極的に回らず連絡票も入れていなかったケースが複数ある、「いただいた意見を受け止める」と言いながら都合の悪い意見は全て無視、戸別訪問時に職員が「しゃんもっでん(書かんばんごつ)…」と言ってアンケートの「賛成」を回答させる、そうして集めたアンケートの結果を事業続行を正当化する道具として使っていた、等々…。
国が浸水地域に建てないようにと進めているにもかかわらず、敢えて浸水地区に災害公営住宅を建てる愚策。被災者ら市民から「安全なところに建てて」「浸水した被災後の復興時こそ大変な状況に陥る。私たちは覚悟して戻ってきているが、高齢者の方も多く住む公営住宅を、なぜそんな危険なところに建てるのか」と繰り返し問われても、市の答えは「デザインを変えて圧迫感をなくします」などちぐはぐ頓珍漢なものでした。
今回の住民監査請求に379名が名を連ねたのは、声を上げた方がいたこと、その後も市のやり方が奇怪そのものだったこと、担当部署も市長も入居予定者のことも周辺住民のことも考えずむしろダシにして事業を強行しようとしている姿が露呈したこと、に依っていると思います。
「みんなが納得する災害公営住宅を造る」ことを求める運動は、「みんなが納得する川づくり・まちづくり」に繋がります。次世代に手渡したいと思える川と流域社会を、現役世代として遺したい、と思っています。
NHK
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熊本日日新聞「人吉市の災害公営住宅、「市条例に違反」と監査請求 市民の会、予算執行の差し止め求める」
人吉新聞「災害公営住宅 市民の会379人が住民監査請求」