熊本県人吉・球磨の市民グループ:通称「手渡す会」

会報「かわうそ」8号

1994年12月07日発行
清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会 会長 池井 良暢

初代環境庁長官 大石武一「ダムと環境を語る」講演会 
12月17日(土)カルチャーパレスにて開催します

 このたび、初代環境庁長官である大石武一さんの来人が急きょ決定しました。これまで「手渡す会」は、全市民的な市民運動を進めてきており、国のレベルでも各マスコミや県出身の国会議員、そして全政党にも「川辺川ダム建設計画」の問題点を訴えてきました。それにより、国会議員では無所属の紀平さんや共産党の有働さんが人吉に来られ、川辺川ダム問題を調査し、国会でも取り上げられるようになりました。
 そして今回は、自民党の代議士会長も務められた大石さんを迎えることになりました。県や地方の議会に与える影響も非常に大きいと思います。
 人吉ではすでに「ダム見直し」を求める市民の陳情署名数も有権者の過半数を大きく上回っています。今後、県や国に本格的に「川辺川ダム見直し」を働き掛けるためにも、大石さんの素晴らしいお話をお聞きしたいものです。
 今回チケットを2枚(県内の方に) 同封させていただきました。年末の土曜日でお忙しいこととは存じますが、ご家族・ご友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。なお、チケットの精算は、当日会場受付けでお願いします。

大石武一講演会のチケット

じいちゃん・ばあちゃんもダム見直しに立ち上がる!

 「孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会」が10月14日、1000名を集め人吉文化センターで開かれました。
 午後1時半から始まった集会では、岡富郎実行委員長(85才)が「球磨川にこれ以上ダムを造らせないようにしよう」とあいさつ。意見発表の後、「ダムで栄えた村はない!血税を郷土破壊に使うな」、「球磨川を子供達が泳げる昔の清流に戻すこと」など集会宣言とスローガンを採択。
 応援にかけつけた、ばってん荒川さんも歌としゃべりでダム見直しを訴え、最後はチンドン屋にふんしたお年寄りを先頭に、「ダムはムダ、ムダ」など書かれたプラカードを手に、繁華街をパレードしました。 その後、この集会の実行委員が中心となり市長や議長と会見し、ダム見直しを訴えました。
 12月11日(日)の午前10時より青井神社で「孫子に残そう清流球磨川!じいちゃん・ばあちゃんの会」の発会式があります。急ですが、こちらにも多数のご参加をお願いします。

孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会。壇上は、岡富郎実行委員長(85才) 人吉文化センター(1994.10.14 緒方撮影)

孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会。満員の人吉文化センター(1994.10.14 緒方撮影)

手渡す会・8月~11月の出来事

 8/30 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名4万8436人分提出(人吉市1万0222、市外3万8214)
 9/11 孫子のための「じいちゃんばあちゃんの館」祭り 約200名参加
   14~有働正治参議院議員、現地調査に入る
   26 人吉市議会「川辺川ダム建設促進に関する意見書」採択
10/2 清流川辺川を守るカヌーデモ 野田知佑さん来人 約100名参加
    9 保母武彦教授(島根大)を招き研修会
   14 「孫子に残そう清流球磨川」じいちゃん・ばあちゃん大集会約1000名参加
11/4 農水省、川辺川土地改良事業の計画書決定 8日から縦覧公告
  11 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名追加提出
     (これまでの累計5万7286名、人吉市1万6335、市外4万0951)
  13 署名採りピクニック  約20名参加 
  28 旅館業、川下り船頭、鮎問屋、主婦、釣り師など11名の市民が「川辺川ダム建設見直し」の陳情書を人吉市議会に提出

◇地区集会を8月21日から、若宮神社、温泉町、上薩摩瀬町、下林町、瓦屋町、合ノ原町、鬼木町、願成寺町で開催しました。 ◇署名活動は、ほとんど毎日取り組みました。 ◇毎週月曜の夜8時頃より、「くま川ハウス」で定例会を行っています。どなたでもご自由に参加することができます。ぜひ一度、のぞいてみて下さい。皆様のお越しをお待ちしております!

ダム見直し陳情署名、6万人分に迫る!
署名にご協力頂き、本当にありがとうございます

 今年の8月20日時点では約7000名分だった人吉市民の「川辺川ダム見直し」の陳情署名は、4か月足らずで2万名に迫るまで集まりました。人吉市内の会員や協力者の皆様方には大変なご苦労をお掛けしました。
 署名は、11月11日提出分で5万7286人分(人吉市民1万6335人)となり、その後集まった分は合計6万人に迫り、12月市議会前に提出の予定でしたが、現在提出の時期を見計らっております。お手元に署名用紙がもしございましたなら、至急「くま川ハウス」までお送りください。

人吉市議会の動き

 9月の定例市議会では、当時提出されていた人吉市民約1万3千名の「ダム見直し」の陳情署名を無視する形で、「川辺川ダム建設促進に関する意見書」が採択されてしまいました。
 しかし、その後市民の「ダム見直し」の陳情署名数は増え続け、現在は市の有権者の過半数を大きく上回る2万名に迫る勢いです。議員さんの意識もずいぶん変わりつつあるように思います。住民の代表者が議会なのです。議会がダム見直しを表明するよう、皆さんからも議員さんに声を掛けてください。

人吉市役所前でアピール 中央に野田知佑さんの姿も見える(1994.12.22 手渡す会撮影)

会計報告(94、8、25~94、12、2)

収入の部      金額       備考 
年会費・カンパ  1,210,047 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計        1,210,047
支出の部      金額       備考 
郵送費       252,831 会報発送、緊急署名願い発送、カンパ依頼発送など  
紙代        130,807 署名用紙、ニュース、ビラ、資料など  
事務用品費    100,613 封筒、文具、印刷外注費など  
事務所維持費  321,181 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費        78,777 岡山苫田ダム全国集会など 
火災保険料     30,000 
紙折り機      164,800 
その他       34,768 地区集会公民館使用料ほか 
合計       1,113,777
 (収入)      (支出)
1,210,047-1,113,777=96,270円 (収支)  
 (これまでの個人立替分) 96,270-115,379=△19、109円
*この期間中は、9万6千円あまりの黒字会計となりましたが、昨年9月からの個人立替分を補填したために赤字会計となりました。

◇カンパのお願い 手渡す会の会計は、皆様方の年会費(1000円)とカンパによって成り立っています。支出の方は、運動の急速な盛り上がりと事務所(くま川ハウス)の設立や、人吉市内全世帯配布を目標にした「昔の球磨川を取り戻すニュース」の発行などにより、会計報告の通り現在赤字財政でやりくりしております。(赤字分は、個人の負担で支えられています。) 会費やカンパには、次の3通りの方法があります。
■年会費1000円 …同封の郵便振替用紙でお願い致します。 
■カンパ      …同封の郵便振替用紙でお願い致します。 
■定期カンパ(ハウス応援団) …毎月、定額のカンパ(一口千円より)を、口座の自動引き落としでお願いしております。  (お問い合わせは、担当スタッフ佐藤亮一までお願いします)

 会報「かわうそ」発送時に、毎回郵便振替え用紙を同封させていただきます。なにとぞ、美しい郷土を未来に手渡すために、皆様方の力をお貸しください。また、定期カンパ(ハウス応援団)の手続きをされた方は、年会費も兼ねておりますので、同封の郵便振込用紙では納入されなくても結構です。

「川辺川利水事業に異議申し立てをしよう」看板  相良村永江(1994年12月 小杉撮影)

新聞に投書しましょう!

いつでも、誰にでもできる自然保護運動は、新聞の投書です。お金もかからず、何十万もの人達に訴えられ、おまけにお礼まで(例えば朝日の場合三千円)もらえます。最近は、熊日新聞にもダム関係の投書が目につくようになりました。どの新聞も400~500字程度です。さあ、今から原稿用紙を用意して、みんなにダム問題を訴えましょう!

編集後記

早いもので、今年もあとわずか。この一年、本当にいろんな事がありました。思えば今年の2月頃はホントに寒かった。しかし、春になると同時にハウスができ、人が集まり始め、イベントもたくさんこなして、広く市民にダム問題を訴えることができました。7月の全国集会からは、署名という目に見える形での運動の成果も得る事ができ、地元での運動も大きな局面を迎えました。「ダム凍結」の明りも見え始めたように思えます。来年からは全国的な運動に盛り上げるためにも、皆様の力が必要です。未来のために、力を合わせて頑張りましょう!(N.O)
・皆様方のご感想、ご意見、ご投稿をお待ちしております! 人吉市新町16番地 「くま川ハウス」までどうぞ 電話FAX0966(24)9929