熊本県人吉・球磨の市民グループ:通称「手渡す会」

『球磨川流域豪雨災害とダム問題―川と共に生きる住民の願いを実現させるために―』を刊行しました

球磨川流域豪雨災害とダム問題―川と共に生きる住民の願いを実現させるために―

出版社 ‏ : ‎ すいれん舎 (2025/1/30)

発売日 ‏ : ‎ 2025/1/30

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 266ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4863697201

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4863697201

寸法 ‏ : ‎ A5版


清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会(編)

2,200円(税込)

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紹介

日本の治水計画の根底をゆるがす2020年球磨川豪雨災害の検証。

なぜ、激甚な豪雨災害にあった住民がダム問題に取り組むのか。

ダムや連続堤防に川と洪水を押し込める基本高水治水が川を破壊し、水害を激化させているとし、人命を守れないダムなんて要らないと説く。

目次

序章…森明香

I章 2020年豪雨により球磨川流域にどんな災害が発生したのか

  1 被災者が見た球磨川豪雨災害―あの日の記憶…市花由紀子
  2 水害常襲地帯に暮らしていて初めて出会った災害…木本雅己

Ⅱ章 なぜ、甚大な災害に遭った住民がダム問題に取り組むのか

  1 球磨川に暮らす流域住民”川で育ち・川で子育て”…木本千景
  2 球磨川と共に暮らす流域住民…生駒泰成

 再録 冊子「7・4球磨川豪雨 被災者の声」

  掲載にあたって…川邊敬子

Ⅲ章 川辺川ダムと流域住民の取り組みの歴史…森明香

Ⅳ章 豪雨災害と向き合う―川のどこで何が起きたかを記録する

  1 川を無視するダム建設―「奇跡の二つの吊り橋」…岐部明廣
  2 第四橋梁問題…森明香
  3 人吉大橋・危機管理型水位計は”大洪水”を適切に計測していたのか…森明香

Ⅴ章 既存の治水対策は気候変動下で有効なのか

  1 「基本高水治水」は川を破壊し、災害の甚大化を引き起こす…市花保

  2 なぜ、ダムは逃げ遅れゼロを全住民に強要するのか…黒田弘行

Ⅵ章 安全・安心を掲げる治水策がなぜ住民の土地と暮らしを奪うのか

  1 ダム建設計画が復興を阻害し続けている…木本雅己

  2 ダムに翻弄される五木村―苦悩いつまで…寺嶋悠

  3 2020年球磨川流域豪雨災害と人吉市大柿地区の集団移転問題…黒田弘行

Ⅶ章 ダムでさらに大きな災害を呼び込む危険な球磨川水系河川整備計画

  1 流水型川辺川ダムでは清流も守れない…緒方紀郎
  2 2020年豪雨災害を無視するダム建設…岐部明廣
  3 球磨川水系は山地を流れる川―山が川を育み、流域の災害を防ぐ…黒田弘行

終章 手渡す会の30年―これまで携わられた方々を通して…緒方俊一郎

  あとがきにかえて

  球磨川宣言 

編者プロフィール

清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会 (編)

 流域の豊かな生態系を育む清流球磨川・川辺川を子孫に手渡すことを目的に1993年に発足され、流域住民により設立された市民グループ。

 川辺川ダム建設の反対運動を展開し、学習活動や市民調査を実施。2008年川辺川ダム計画の白紙撤回後も活動を続け、ダムや連続堤防に川と洪水を押し込める基本高水治水が川を破壊し水害を激化させていることを実感する。

 2020年7月にはメンバーの多くが被災したが、直後から豪雨災害の実態解明を深める調査に取り組み、現在も継続中。毎週月曜夜に例会を行い、県内外の市民グループや専門家と連携しながら、豪雨災害の実態をふまえていない流水型ダム建設を含む河川整備計画や復興まちづくりに対する問題提起と情報発信を続けている。